枯山水庭園

寿石庭じゅせきてい

寿石庭

山門から本堂、さらに書院式台に到る広い枯山水庭園で、参拝用手水鉢を含め全部で二十三石の青石が組まれている。敷石によって四区画に区切られた中に、それぞれ絶妙な空間処理がなされており、小砂利敷き中に描かれた砂絞が禅寺らしい清浄感を見せている。石組はどの方向から見てもよき調和を保っているが、本堂から見た錦松を背景とした景色や、書院玄関から全庭を望んだ景観は見事である。式台前にあるニ石組と、背後の赤松の景には、作者独特の美意識がよく表れている。山水画に見る遠近法がよく生かされた前庭である。

妙高庭みょうこうてい

妙高庭

奥書院の「永寿閭」に面した中庭であり、どの方向から見ても景色が崩れない、独特の石組技法が用いられている。中央には低い苔山の中に力強い青石が屹立しているが、これは仏法世界の中央に聳えていると言う“須弥山(しゅみせん)”を表現したものである。この山は限りない高さであるところから、別名を“妙高山”とも言うので、そこから「妙高庭」と名付けた。主室前の引戸はすべて格納できるよう意図されており、座敷内から見ると全庭が一幅の絵のように鑑賞出来る。立石と調和する周囲の石組の変化ある景色も大きな見所となっている。

巨鼇庭きょごうてい

巨鼇庭

当山の最も奥にある客殿(書院)に面した枯山水庭園で、左右に長い敷地であるため、上ノ間、下ノ間からそれぞれの美景を眺めることが出来る。本庭は中国古来の伝統的な篷莱神仙思想(東海にある理想郷を信仰)による園で、左手には枯滝があり、登龍門を意味している。中央の大島は、蓬莱山を背負う大亀の表現で、神秘的な海中の主であるこの亀を「鼈」と言い、そこから「巨鼇庭」と命名した。島の中心に見事な赤松があるのも伝統的な姿である。その右手に七石で組まれた「鶴石組」もあり、斜石によって“鶴首石”が表現されている。

羅漢庭らかんてい

羅漢庭

本堂南側の庭で、釈迦如来とその弟子「十六羅漢」をテーマにした枯山水庭園。中央に巨大な石橋(長さ四m)を据えているのが大きな特色で、中心に立つ“釈迦石”と橋以外の十六石が、様々な姿の羅漢を象徴している。当山の庭園中では最も豪華な石組であり、しかも巧みな白砂空間の扱いによって、庭が面積以上に雄大に見える。特に高い本堂の縁に座して眺めると、石組の力強さが際立ち、また長い縁を歩みながら石組の変化を楽しむのも一興であろう。石は天然の阿波青石が中心で、今日では入手困難な貴い庭石と言える。

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